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僕がチャンピオン読者になった理由(わけ)

切腹はスポーツじゃないだろ、常識的に考えて。

でもチャンピオンだったらそれもどうなるか分からない
要するにそういう雑誌です。

自分は現在、週刊少年チャンピオンを毎週読んでいる。
去年くらいまでは毎週買っていたのだが、置き場所の問題と予算の関係で最近は立ち読みで済ませているけど。
ただ、タニマチ指定した掲載作品は単行本揃えてるし、これは買いだと思った週は今でもちゃんと購入している。


まずはここ最近のチャンピオンについていささか説明させてもらう。

2000年代前半まで、週チャンは紛れも無く暗黒期を迎えていた
詳しくは説明しないが、その頃に刊行された単行本のラインナップをチラっと見てもその一端は理解していただけると思う。
なおチャンピオンにおいて、単行本が刊行されているものはまだマシである。ジャンプと違って母体が貧弱なので、ストックは十分あるにもかかわらず単行本すら出してもらえない作品は山のようにある。そのため、俗に言う「打ち切り」は主にジャンプの代名詞となっているのだが、ジャンプはどんなにヒドイ打ち切られ方をされてもちゃんと単行本出してもらえるからまだ良い。「打ち切り」を食らった時の悲惨度は、四大誌の中ではチャンピオンがダントツでトップである。作者への利益が皆無になるのはおろか、後世に名前すら残らないのだから。

正直自分も、2000年代前半までは「バキが載ってるアレ」という認識しかなかった。おそらく世の多くの人もそうだろう。というか、現在でもその認識を引きずって「チャンピオンってバキしか見るものないでしょ?」とかいう人も珍しくない。
ハッキリ言っておくが、それは既に過去のことである。劣化が激しかったとはいえなんだかんだで大黒柱であったバキも終了して寂しくなったのは事実だが、バキが終了してなお、個人的に誌面の充実度では四大誌の中で一番だとすら思っている。贔屓補正があるのは否定しないけど。


2006年に編集長が沢孝史(沢様と呼ばれている)になってから、チャンピオン暗黒時代は終焉を告げた。
一応説明しておくと、死に体だった手塚治虫をブラックジャックで復活させる等、漫画編集としては歴史に残るレベルの伝説的人物である壁村耐三の最後の部下で、入社3年目にしてバキや覚悟のススメを世に送り出させた実績を持つ編集者である。

沢政権の下で最も特徴的だったのは、他社からの引抜きを減らしたことと、多くの短期集中連載枠で複数の新人を寄せ集めて競わせ、勝ち残った作品に連載枠を与えるという現在の誌面体制を確立したことだろう。そこからイカ娘みつどもえなどが生き残り、今なお若手の新鋭がガンガン集まってきている。正規連載への昇格をかけた短期集中連載サバイバル枠という試みが成功したおかげで、チャンピオンには活きの良い漫画がどんどん現れている。
侵略!イカ娘 13 (少年チャンピオン・コミックス)侵略!イカ娘 13 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/01/08)
安部 真弘

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みつどもえ 12 (少年チャンピオン・コミックス)みつどもえ 12 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/09/07)
桜井 のりお

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イカやみつどもえ(現在は1年の失踪の後、月刊に移籍)以外には、スポーツ漫画枠として「弱虫ペダル」は「このマンガがすごい!」などで取り上げられるなどして注目されているし、大相撲を題材にした「バチバチ」は現実世界の八百長問題などの逆風のせいで絶賛はされないが、個人的に現在連載されているスポーツ漫画の中でNo.1の完成度だと思っている。サッカー漫画の「ANGEL VOICE」を推す玄人もいる。バキが終わっても質はまったく落ちていない。ドカベンは、まぁジャンプにおけるこち亀みたいなもんだとして。
弱虫ペダル 27 (少年チャンピオン・コミックス)弱虫ペダル 27 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/03/08)
渡辺 航

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バチバチ 16 (少年チャンピオン・コミックス)バチバチ 16 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/06/08)
佐藤 タカヒロ

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なおバチバチは第二部が連載中である。ここから読んでも一応問題はない↓
バチバチBURST 3 (少年チャンピオン・コミックス)バチバチBURST 3 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/02/08)
佐藤 タカヒロ

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ANGEL VOICE 30 (少年チャンピオン・コミックス)ANGEL VOICE 30 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/01/08)
古谷野 孝雄

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それ以外のジャンルも、「空が灰色だから」はかなり注目され、連載終了を惜しむ声もかなり多い。
空が灰色だから5(完結)(少年チャンピオン・コミックス)空が灰色だから5(完結)(少年チャンピオン・コミックス)
(2013/03/08)
阿部共実

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あえて言うなら、冒険もののストーリーマンガがかなり弱いというのがかねてより問題だとは思う。この点については、何も言わなくてもその手の長編志向の新人が集まる土壌のあるジャンプが正直うらやましい。

現在のチャンピオンで最も注目されるべきは、ギャグ漫画の盛り上がりっぷりが四誌の中でダントツである、という点だ。
先程挙げたイカ娘やみつどもえは、もはや看板として定着しているが、彼らも初期の頃は正直人様に漫画を見せて良いレベルではなく、努力の結果成長して力をつけたタイプの漫画である。
で、彼らがなぜ成長できたかと言うと、編集が有能だったと言うのももちろんあるが、彼らが何から学んで力をつけたかというと、一番の軸となった作品は浦安鉄筋家族である。
毎度!浦安鉄筋家族 7 (少年チャンピオン・コミックス)毎度!浦安鉄筋家族 7 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/02/08)
浜岡 賢次

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イカ娘の作者は元々萌え系漫画の雄である電撃に断られたのを秋田書店に拾われたという経歴のある人で、元々浦安のような古典ギャグの芸風は持ち合わせていなかったのだが、最近は浦安的な画を結構な頻度で使うようになっているのを見ると、浦安からかなり勉強していることが伺える。
みつどもえの作者は元々熱心な浦安ファンで、赤塚賞もらってデビューしていたにもかかわらず浜岡賢次から直々に勧誘されたことがきっかけでジャンプを蹴ってチャンピオンに移籍してくるほどの人物である。みつどもえ自体も設定から作風までかなり浦安に影響されている。
この二人は代表的な例としてあげたが、浦安鉄筋家族を尊敬して感化される人がチャンピオンには非常に多い。特にギャグ漫画家はその傾向が顕著である。
また浦安の作者の浜岡賢次自身もチャンピオンの漫画家の間では非常に人望のある人物で、新人賞の選考委員として力を振るうのはもちろん、たとえばバチバチが八百長問題で逆風を食らうのを見るや否や真っ先にバチバチを気遣うコメントを残したりする等、内外でチャンピオンを支えている作家である。

ハッキリ言うと、現在のチャンピオンの核をバキに見るのは誤りであり、チャンピオンに対するあらゆる誤解の元凶である(もちろん「いきいきごんぼ」みたいにバキから多大なる影響を受けている作家も非常に多い)。実際読むと、チャンピオンの中心にいるのは紛れも無く浦安であるというのが一目で分かるだろうし、そう理解すれば良くも悪くもチャンピオンに関するあらゆる事象がすんなり納得できるはずだ。


ここで、チャンピオンとは対照的に、チャンピオンの弱点である冒険バトル漫画が強い反面、ギャグ漫画の不毛地帯と成り果ててしまっているジャンプとはどうしても比べて考えてしまう。


前もどっかで言った気がするが、ギャグ漫画が元気な雑誌というのは本当に力のある雑誌だと自分は考えている。なぜかと言うと、イカ娘やみつどもえの作者がそうだったように、ギャグ漫画の出来は決してセンスの有無だけで決まるものではなく、学んで成長できる部分が大きいからだ。
どう学べばいいのか(あるいは何をしてはダメなのか)をアドバイスしたりするのは編集の力によるし、何から学ぶかを選ぶ際に一番身近なのは同じ雑誌の大御所ですなわち雑誌自体の土壌によるし、そうして生まれたギャグを受け入れるのは読者の度量によるのである。
作家自身のセンスに加え、編集の力、雑誌の土壌、読者の質のいずれかが欠けると作家は成長しない。ギャグ漫画は笑いという繊細なものを扱うため、特にその傾向が強いのではないか。

最近ジャンプで「新米婦警キルコさん」というギャグ漫画が同人界隈で非常に大流行し、ジャンプにおける看板漫画候補として期待されていたが、いまや失速して打ち切り寸前になっているという。
新米婦警キルコさん 1 (ジャンプコミックス)新米婦警キルコさん 1 (ジャンプコミックス)
(2013/03/04)
平方 昌宏

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自分も「キルコ」は読んだが、「この漫画、チャンピオンだったら絶対看板漫画になってた」という感想を抱き、非常に惜しい気持ちになったものである。

個人的に、「キルコ」がギャグ漫画としてつまらなくなった理由は、キルコという「傭兵上がりの警官」というキャラの一貫性が保たれなかったからだと考えている。「傭兵上がりが日常世界にやってくる」ときたら普通は「傭兵上がりゆえの世間ズレ」がギャグ漫画としての根本原理となるだろうし、実際最初はそういう漫画だった。しかし回を追うに従って女子会がどうのとか言い出したりやたら世間慣れした描写が出てくるようになって、世間知らずのキャラが完全に崩壊し、キルコというキャラが、ひいてはギャグ漫画としての「キルコ」が完全に死んでしまった。

設定画とか見るとこの作者はかなり曖昧なイメージしか持たないままキルコというキャラを作ったことがわかる。そんな状態で放置された結果生み出された必然の糞展開だと自分は考えるが、そこで不整合な点を指摘してキャラの一貫性を保たせるのは編集の仕事ではないか。イカ娘の作者が厳然と作風を保とうとしているのを知っていると、キルコの重大な失点であるキャラ崩壊は絶対防げたはずである。少なくともチャンピオンだったら絶対こんなことにはならなかった。

それと、ジャンプで警官が活躍するギャグ漫画と聞くと、こち亀を思い浮かべない人はいないはずである。
こち亀と似たような設定の作品を連載することに何か思うところはなかったのか。先達の作品から何かしら学ぼうとは思わなかったのか
自分は、「こち亀がジャンプにおける老害になっている」という意見を否定はしない。ただそれでも、ギャグ漫画の体を為している分、少なくとも野球漫画としていろいろアレな最近のドカベンよりはマシである。十分学ぶに値する漫画家だと自分は思う(今がダメでも良かった頃に遡ればいいのだし)。実質、ジャンプのアンケ制に影響されない貴重な存在だし。
雑誌の土壌が作家を育てる以上、本来ならばジャンプのギャグ漫画黄金期を知る秋本治のような作家はもっと大事にしなければならない存在だ。そこのところをジャンプを取り巻く全体が理解していないから、いまだにうすたショックから立ち直れないのである。
まぁ別に銀魂辺りから学んでも良いんだろうけど、そこに先はないと自分は思う。

あと、単純にジャンプ読者のギャグ漫画に対する度量が狭いというのもある。特に、下品さや汚さに対する耐性が低すぎるのが原因でギャグの許容範囲を絶望的に狭めてる感がある。まぁ、ジャンプ読者の性別比とかはあえて聞きませんけど


何だかジャンプの悪口になってきて脱線しまくってるのでここらでやめておく。
ただ、これはもしかしたらジャンプだけでなく日本のお笑い、若者文化に関する問題点も照らし出す話かもしれない、ということはここで指摘しておく。それらを踏まえた上で「なぜチャンピオンは元気なのか?」を考えるのは、非常に有意義な試みだと思う。


ともあれ、「何でもありの無差別級まんが雑誌」という触れ込みに偽りなしである。
少しでも漫画好きを自認するなら目を通しておいて絶対損はない。
上で述べた作品の他には、「いきいきごんぼ」「囚人リク」「バーサスアース」辺りが元気である。
最近は「あまねあたためる」も調子出てきたし、「名探偵マーニー」も好きな人は好きかもしれない。「それ街」好きなら「木曜日のフルット」も毎週欠かさず連載されている
いきいきごんぼ 1 (少年チャンピオン・コミックス)いきいきごんぼ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/02/08)
陸井 栄史

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囚人リク 10 (少年チャンピオン・コミックス)囚人リク 10 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/03/08)
瀬口 忍

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バーサスアース(3) (少年チャンピオン・コミックス)バーサスアース(3) (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/04/08)
一智和智、渡辺義彦 他

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あまねあたためる(1) (少年チャンピオン・コミックス)あまねあたためる(1) (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/04/08)
佐渡川 準

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名探偵マーニー 2 (少年チャンピオン・コミックス)名探偵マーニー 2 (少年チャンピオン・コミックス)
(2013/03/08)
木々津 克久

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木曜日のフルット 2 (少年チャンピオン・コミックス)木曜日のフルット 2 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/04/06)
石黒 正数

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始まったばかりだが新人らしからぬ画力の「泳げ!ひなのちゃん」にも頑張って欲しい。
それ以外にも、短期集中連載枠から有望な新人がかなりの頻度で現れているので、毎週読むのがほんとに楽しみである。


適当に単行本で拾うのも良いが、メディア作品の花形といえばやはり雑誌連載である。特定の雑誌をリアルタイムに読みながら追う習慣というのは、漫画でも文学でも非常に大事だと自分は思う。描かれた作品についてまた違った見方が出来るし。

ps:ちなみに、最近は月刊である別冊少年チャンピオンも創刊された。
みつどもえもそちらに移動して、第二の核になりつつある。
興味のある人はそちらにも注目してはいかがか。
「しこたま」とか、球漫でこれ以上の馬鹿漫画はそうそうあるもんじゃない。

theme : 漫画
genre : アニメ・コミック

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かうんたぁ
プロフィール

ごてぃ

Author:ごてぃ
茨城から都内の大学院に通う人
専門は中国近現代文学のはず
文章を書かせると人格が変わることに定評があるらしい
「誰だか知らないけど有名人っぽい」と意味不明な事を言われる
黄昏をこよなく愛する男。

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